ある晴れた夏の日。
幾分古めかしく威圧感のある門の前。
主人公「鶯谷亮太」は呆然と立ち尽くした。
亮太「……あれ?」
美和市。都心から電車に揺られること2時間半、幾つもの山を越えた高原にある地方都市だ。
母親の死により天涯孤独の身の上となった亮太は、遺言に従ってこの街にやって来た。
夏の逃げ水のせいか、それとも方向音痴なのか。
さっそく迷子になった亮太は、一人の少女「三井森千夏」と出会う。
その出会いは十分に新しい街での新しい生活が、明るいことを予感させる幸せな時間だった。
幸せな時間は瞬く間に過ぎ去って、今。
亮太が居る此処は、遺言通りの住所。
その前で、呆然と立ち尽くしていた。
亮太「中州――組?」
誰がどう見ても、そこは任侠一家中州組。
そしてそこは、母親が頼る様にと遺言した家。
亮太の夏が、動き出そうとしていた。 |